総務省が発表しているDX時代の企業プライバシーガバナンスガイドブックについてまとめました。 元資料はこちらです。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000877678.pdf
サマリ
1. 目的と背景
Society5.0の実現に向け、企業はデータ活用でイノベーションし、経済成長と社会課題解決に貢献。
パーソナルデータ利活用分野で、プライバシー保護への要請が高まっている。
2. 対象と内容
新事業展開する企業とベンダー企業向け。
プライバシーガバナンスを構築し、信頼を築く方法を提供。
3. 主要メッセージ
- 消費者のプライバシーへの配慮が信頼構築に不可欠。
4. 効用
信頼性向上と新事業展開の円滑化支援。
プライバシーガバナンスのステップガイドとして利用可能。
プライバシーの企業価値への影響の高まり
法的規制遵守
プライバシー経営戦略
テック業界との対立と規制強化
- プライバシー問題により、テック企業と規制当局の対立が激化。規制が厳しくなっている。
- これにより企業業績や事業展開に影響があり、業界全体に影響を与えている。
グローバル企業と個人情報保護法改正への対応
国際的な信頼の必要性
- DFFT(データ自由流通協定)による経済成長目指す中、セキュリティとプライバシーの確保が重要。
- 国内企業も海外で求められる信頼レベルに対応が求められている。
個人情報保護法改正への対応
- 個人情報保護法改正に伴い、プライバシー保護を強化し、適切なデータ利活用を促進する動き。
- 特にデジタル技術分野では、民間主導の取組を奨励し、個人データの責任者設置やPIAの実施が推奨されている。
経営者が取り組むべき3要件
要件1: 姿勢の明文化
- プライバシーに関する基本的な考え方と姿勢を経営戦略の一部として文書化し、組織内外に公表する。
- 明文化した方針に基づいて実施し、経営者はその実行に対する責任を確保する。
要件2: プライバシー保護責任者の指名
- プライバシーに関する全体の責任者を指名し、権限と責任を明確に定める。
要件3: リソースの投入
- 必要な経営資源(人材、物、資金)を段階的に投入し、プライバシーガバナンスの体制構築や人材の配置・育成・確保を行う。
プライバシーガバナンスの重要項目
体制の構築
- 内部統制の確立
- プライバシー保護組織の設置
- 社外有識者との連携強化
運用ルールの策定と周知
- 徹底的な運用を保証するためのルールの策定
- 組織内でのルール周知と遵守の徹底
企業内のプライバシー文化の醸成
- 従業員がプライバシーに対する意識を持つための企業文化の形成
消費者とのコミュニケーション
- 組織の取り組みの普及と広報
- 消費者との継続的なコミュニケーション
その他のステークホルダーとのコミュニケーション
- ビジネスパートナー、グループ企業、投資家、株主、行政機関、業界団体、従業員など、さまざまなステークホルダーとのコミュニケーションの確立。
おわりに
現在、DXが進行し、データ活用はイノベーションの要とされ、企業の中心課題となっています。特に、パーソナルデータはビジネスの基盤であり、プライバシー保護は不可欠です。DXの推進と信頼の確立は不可分で、プライバシー保護はその一環として極めて重要です。
日本の企業はプライバシーに真摯に取り組んできましたが、今後、取り扱うデータが増加し、プライバシーに関連する問題が多様かつ複雑になるでしょう。企業は戦略的かつ組織的にプライバシーに対処する必要があります。社会におけるプライバシーへの関心は高まり、企業の評価に影響を与えるようになっています。適切なプライバシー対応は企業の信頼を高め、競争上の差別化要因になります。
したがって、企業はプライバシーガバナンスとしてプライバシー保護に取り組む必要があり、このガイドブックは経営者とその支援者向けに、要件と組織体制を提供し、プライバシー問題を解決し、価値を高める手助けをするものです。プライバシー問題は変化し続けるため、ガイドブックも適宜更新されます。
DX時代における企業のプライバシーガバナンスガイドブック youtu.be
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版 (EXAMPRESS) [ 一般社団法人日本ディープラーニング協会 ] 価格:3,080円 |