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変分自己符号化器:VAE 1

変分自己符号化器(Variational Autoencoder, VAE)は、機械学習の一種で、特に生成モデルとして使われます。変分自己符号化器の基本的な考え方は、データを低次元の潜在空間に圧縮し、その空間からデータを再構成することにあります。

主要な構成要素

  1. エンコーダー(Encoder):

    • 入力データ(例えば、画像やテキスト)を潜在変数にマッピングします。
    • 通常の自己符号化器と異なり、VAEでは入力データを潜在空間の確率分布にマッピングします。この分布は多くの場合、ガウス分布として定義され、エンコーダーは潜在変数の平均(μ)と分散(σ²)を出力します。
  2. 再パラメータ化トリック(Reparameterization Trick:

    • 潜在変数を直接サンプリングするのではなく、確率分布からサンプリングするために、再パラメータ化トリックを使います。これにより、誤差逆伝播法を適用することが可能となります。
    • 具体的には、潜在変数 ( z ) は次のように表現されます: ( z = μ + σ \odot ε ) (εは標準正規分布からサンプリングされたノイズ)。
  3. デコーダー(Decoder):

    • サンプリングされた潜在変数 ( z ) から元のデータを再構築します。
    • このプロセスは潜在空間から観測データ空間へのマッピングを行います。

損失関数

VAEの学習における損失関数は、以下の二つの項から構成されます。

  1. 再構成誤差(Reconstruction Error):

    • 入力データと再構成されたデータとの間の差を測定します。通常は平均二乗誤差(MSE)やクロスエントロピーを用います。
  2. KLダイバージェンス(KL Divergence):

    • エンコーダーが出力する潜在変数の分布と事前分布(通常は標準正規分布)との間の差を測定します。これにより、潜在空間が良い特性を持つように制約します。

ここで、βは重みパラメータで、通常は1に設定されますが、調整可能です。

まとめ

変分自己符号化器(VAE)は、入力データを低次元の潜在空間に圧縮し、その空間からデータを再構成する生成モデルです。エンコーダーが入力データを確率分布にマッピングし、デコーダーが潜在変数からデータを再構成します。再パラメータ化トリックにより、確率的なサンプリングプロセスを実現し、損失関数には再構成誤差とKLダイバージェンスが含まれます。これにより、VAEはデータの構造を学習し、新しいデータを生成することが可能となります。

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